はじめに|映画を観るのは、心のリセット時間
日々の生活の中で、ふと**「ちょっと現実から離れて、物語の中に入り込みたい」**と思うこと、ありませんか?
私にとって映画を観る時間は、まさに心のデトックス時間。 疲れているとき、気持ちが沈んでいるとき、何かに悩んでいるとき…映画は静かに、でも確かに寄り添ってくれます。
映画の中では、自分が普段見逃している感情や、忘れていた気持ちに気づかされることがあります。ときには、自分の内面をじっくり見つめ直す“きっかけ”になることさえあるんです。
今回は、そんな中で最近観て「これは観てよかった…!」と心から思えた映画を1本、ネタバレなしでご紹介します。
- あらすじ(ふんわり)
- 観て感じたこと
- なぜおすすめしたいのか
- どんな人に向いているか
などを、まるで映画好きの友人に話すような気持ちで書いていきますので、「何か観たいけど迷ってる…」という方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
最近観た映画:『リコリス・ピザ(Licorice Pizza)』
- ジャンル:青春・ヒューマンドラマ
- 公開年:2021年(日本公開は2022年)
- 監督:ポール・トーマス・アンダーソン
どんな映画?(ざっくりあらすじ・ネタバレなし)
物語の舞台は1970年代のロサンゼルス郊外。 15歳の男子高校生・ゲイリーと、10歳年上の女性・アラナが、偶然の出会いをきっかけに一風変わった関係を築いていくという青春映画です。
ただの恋愛映画でもなく、明確な目的があるストーリーでもない。だけど観ているうちに、どこか懐かしく、胸が締め付けられるような感情が湧いてくる、不思議な作品です。
セリフ回しも自然体で、演出も抑えめ。 「静かな時間」が流れる中で、人と人の距離感や成長、心の変化が少しずつ描かれていきます。
それはまるで、何気ない日常の中にある“特別”をじっくり切り取っていくような心地よさ。映画というより、時間そのものを一緒に過ごしているような体験でした。
観て感じたこと|懐かしさ、もどかしさ、そして“愛おしさ”
この映画を観終わったあと、すごく印象的だったのは、“何も起きてないのに、なぜか感動している”という不思議な感覚でした。
- 「あの頃、確かに自分にもこんな気持ちがあったな」
- 「不器用だけど一生懸命だった自分を思い出す」
- 「何も分からないまま“人を好きになる”って、こういうことかも」
というような、“説明できない感情”がじわじわと心に残ります。
**「感動」というよりも、「自分の心の深いところに静かに触れてきた」**という表現が近いかもしれません。
特にアラナの揺れ動く気持ち、年齢差や社会的立場の違いに戸惑いながらも惹かれていく過程は、「大人になっていく過程って、こういうことだったな」としみじみ共感しました。
彼女の葛藤はとてもリアルで、年齢に関係なく誰しもが感じたことのある“居場所のなさ”や“もどかしさ”を思い出させてくれました。
この映画のおすすめポイント3つ
1. 「物語」ではなく「空気感」を楽しむ映画
派手な展開や大きな事件があるわけではありません。 でも、だからこそ“日常の中のかけがえのない瞬間”がいとおしくなる”ような映画です。
映像や音楽のセンスも抜群で、まるでタイムスリップしたような1970年代の空気が肌で感じられます。 部屋の照明や小物、車、音楽…どれも“今じゃないけど、なぜか懐かしい”。
観るというより、「その時代に一緒に生きる」ような没入感がありました。
2. 登場人物が“リアル”で、誰かに似ている
ゲイリーもアラナも、正直最初はちょっと変わってます。 でも観ているうちに、「あー、こういう人いるよね」って思えてくるんです。
- 大人ぶってるけど、まだまだ子どものゲイリー
- 何かを変えたいけど、うまく動けないアラナ
2人とも完璧じゃないけど、だからこそリアルで、人間らしくて、観ている自分の一部のように感じられる。
理想的なキャラじゃなく、ちょっと不格好な“本当の人間”として描かれているからこそ、共感が強く残るんだと思います。
3. “何でもない日常”の中にある感情を思い出せる
人って、特別な出来事だけじゃなくて、ふとした日常の中で感情が動くと思うんです。
この映画には、そういう**「気づかれにくい心の動き」が丁寧に描かれていて、観終わったあとに「自分の毎日もちょっと特別な気がする」**と思えるようになります。
映画を観て“癒された”というより、“自分の中の静かな部分が少し明るくなった”ような、そんな感覚でした。
どんな人におすすめ?
この映画は、次のような人に特におすすめです:
- ハデなアクションや展開よりも、“心の余白”を感じたい人
- 青春の甘酸っぱさや、もどかしさをもう一度思い出したい人
- 静かに泣ける映画が好きな人
- 休日にコーヒーを片手に、じっくり映画を味わいたい人
逆に、「ストーリー重視!展開が早い映画が好き!」という方には少し物足りなく感じるかもしれません。 でも、「物語」ではなく「感情」を楽しみたい人にはぴったりの作品です。
映画を観る前後で、自分の中に起きた小さな変化
映画って、観たあとに「何かを変えたくなる気持ち」が生まれることがありますよね。
『リコリス・ピザ』を観たあと、私が感じたのは、
- 「ちょっと人にやさしくなれそう」
- 「言葉じゃなくて、“雰囲気”で伝わることもあるな」
- 「思いきって誰かを誘ってみてもいいかも」
…そんな、小さな勇気や余裕でした。
映画はフィクションだけど、感情は本物。 だからこそ、たった2時間で日常が少しだけ柔らかくなるような感覚を味わえるのが、映画の魔法なんだなと思います。
まとめ|感情にそっと寄り添ってくれる映画を観よう
今回ご紹介した『リコリス・ピザ』は、派手さはないけど、観る人の感情に静かに寄り添ってくれる作品です。
もう一度まとめると、この映画の魅力は:
- 映像と音楽がつくる1970年代の空気感
- 等身大のキャラクターがもどかしくて愛おしい
- “何でもない日常”が、あとから心にじんわり残る
映画を観ることは、エンタメであると同時に、自分の感情を見つめ直す時間でもあると思います。
疲れたとき、何かに迷っているとき、心がざわついているとき、 ぜひこういう作品で、自分の感情をゆっくり感じてみてください。
最後にひとこと
映画は、正解も不正解もなくて、 「何を感じたか」がすべてだと思っています。
この記事が、「最近、何かいい映画ないかな」と思っている方の参考になれば嬉しいです。
そして、あなたのおすすめ映画も、ぜひ教えてくださいね。